住育デザイン
 住育という考え方のデザインは2004年に本を出す以前、1996年のOZONEでのキッズドリーム研究会の活動から始まります。子どもたちが遭遇する空間環境は多くの刺激を与えることになり、その後の価値観のベースになると考えています。

 体験から学ぶことは論理思考まで結びつくものといえます。
住育は即効性を求めるノウハウ的な指向だけでなく、子ども自身の一瞬の感動から長期に渡り感受性が研ぎすまされる時間の経過の成果としてやる気のある子や集中力のある子、想像力たくましく物事を解決できる子、優しさが醸成されて慕われる子に育つことを意図しています。
  基本は弧室にしない子供部屋のすすめ」

 1970年代から団塊の世代が大学進学するようになり、個人主義の台頭から子供に個室を与える親が続出、社会風潮となっていき、個室郡住居なる言葉も生まれました。LDKという団地を作る際の用語も生まれリビングと個室との関係性での住まいが基本となっていきます

 子どもたちに個室は必要かといったテーマの講座は現時点でも取り上げられる住育のポイントですが、結論は勉強部屋としての個室ではなく、一人に慣れる癒し空間と言うべきものと考えます。親離れしていく過程でのグレーゾーンとしてとあるにこしたことはないといえます。離れさせ方がデザインのポイントです。
1 住育の気付きの始まり

住育に関心を持ち始めた時期は自分の子どもが幼く建築に身をおいている立場ゆえに何かできないかとキッズドリーム研究会を発足、活動を始めました。仲間の子ども時代の遊びや育った風景を話すことで追体験というか、過去の空間環境の共有ができました。

 大学院時代の集合住宅の遊び領域や遊び友達の関係を子どもと親の両者を対象に調査しました。最も好きな遊び場や最も親しく遊ぶ友達が親と子で違っていたのです。

子ども時代は遊びが仕事のようなものですから、遊びを研究している先生や関係者に近づいていくことになりました。

 親は忙しく生きてることで表面的に子どもをどうしても見がちになり、親に隠れて楽しむ時間や場所、そこに集まる子どもの友達を知らなかったりするのですね。

 このことは家庭の中でも見受けられます。家の中に楽しめる部分を探し、自分で遊びを作っていく事になります。親にとってはややもするといたずらに映ったりしてしまいます。

 子どもの行動を誘発するような慈(いつく)しみのある仕掛け、大人になってからも楽しめたり、感動する空間発見が印象に残る伝承体験となっていきます。

2 子どもに媚びたデザインをするのではない

 子どもを健やかに育てたいと思わない親はいないでしょう。住育を子どもが子どもでいる時間は短いから子どもに焦点を当てた家作りは違っているのではと誤解している大人が何と多いことでしょう。

 子どもに媚びたデザインをするということでは全くありません。子どもやお年寄りをはじめ普通の大人までも楽しめる繊細な空間が住育の空間なのです。

 人は時間の系を追って生きていきます。瞬間瞬間に気付きがあり、ふとしたことにも感動できる動物です。

 子どもの見たり感じている世界から住まうことを楽しむポイントを探りながらデザイン化していくこと、これが私にとっての住育になります。

 子どもたちの習性を自分体験と照らし合わせながら発見する作業はキッズドリームの際の体験と類似し、とても楽しいものです。

   ふくしのまつりに参加して表現する

 清水市時代からふくしのまつりに参加しています。住育という観点においていくつかの実験をしています。目隠ししての歩行体験は宙を舞うような感覚を味わうことが出来ます。床面の仕上げ素材を変えたり、傾斜をつけたりしながら裸足で歩く感覚はやみつきになります。

 段ボール箱のトンネル迷路は狭さや広さの違いを薄暗いトンネルを這って動き回るもので、小動物になった感覚や手に汗にぎる緊張感で楽しいものです。

 ビニールテープのトンネルは七夕祭りで味わう吹き流しの中をかき分けて進む快感が得られます。柔らかく見えそうで見えない空間を進む勇気と達成感は何度もくり返す子ども達の様子をみることで楽しさが伝わって来ます。

 さり気ない仕掛けですが日常の中に有る素材を用いた遊び環境は明らかに子ども達も保護者も楽しませてくれます。非日常になる仕掛け空間はイメージを膨らませ、刺激を与えてくれます。

 のれんの感触、見えそうで見えない不安と期待が誘発される空間、動物として察知能力を発達させる感覚遊びの仕掛けどれをとってもデザインソースとして成立していきます。

  UDリフォームセンター自然素材工房セミナー

 セミナーにおいて子どもの視線(目の高さ)や広がり領域の大人と子どもの違いを体感して貰う講座をさしました。大人でも椅子式と座式では会話し易い距離が変わります。子どもの場合はどうでしょう。子どもは寝転がってみたり、会話の成立距離は大変小さく、2m四方あれば十分な遊びの広さがとれるものです。
住育セミナー・ご相談は下記アドレスまで
e-mail hwdo.kurita@nifty.ne.jp
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